内申書について
高校入試に大きくかかわる内申についてのお話です。
1、内申書=調査書=ほぼ通知簿
内申書は中学生活の成績や学校活動をまとめたものです。
一般的な通知表の評価は5段階ですから、9教科/1学年×5×3学年分=135点満点の評価となります。
ここに英検・漢検3級以上、部活動の県体出場などの評価が加わります。
ボランティアなど校外活動もプラス要素です。
生徒会をやっている子、部活動の部長などは「リーダーシップあり」などの評価になります。
こうした内容も、多くの場合、基準にそって点数化されています。
全国大会に出場したら何点、県大会なら何点という感じです。
また、このあたりの重視項目は、私立であれば高校等によって、公立であれば各教育委員会によって異なります。
通知表は、所見で「励まし」などが記載されていることもありますが、内申書(調査書)には、客観的事実のみが記載されます。
2、内申書は受験する高校へ
高校の一般入試は主に筆記試験や面接ですが、当日の試験だけでなく、内申書が加味されます。
内申書は受験する高校に提出されます。
生徒を迎える高校が受験生の中学3年間の様子も知り、本番だけでなく日頃の学習態度も確認したいのは当然です。
入試は本番だけ良くてもダメということです。
普段から頑張っている子がちゃんと報われるシステムです。
当日の筆記が思わしくなくても、内申が良ければ合格できる場合もあります。
私立高校に関しては、「内申点が一定の点数以上であれば、入試の得点に関わらず合格」という学校もあります。
例えば、5教科で25点満点中19点以上で合格といった具合です。
また、高校側が要求する内申点に満たない場合でも、合格確約を取り付けられる場合もあります。
中学校の進路主任や中3の学年主任が、2学期の成績が出た段階で高校を回り、話をつけてくるのです。
公立高校に関しては、ある県の公立高校では、入試得点340点の生徒が落ち、260点の生徒が合格したというケースもありました。
これは、落ちた子は内申点の低さをカバーできるだけの入試得点が取れなかった、合格した子は入試の得点をカバーできるだけの内申点があったということです。
3、地域によって異なる比率
内申点の取り扱いは、都道府県によって、また私立は高校によって大きく異なります。
公立高校受検における内申点の重視率(どれだけ評価するか)は、各都道府県の教育委員会が決めています。
私立高校はそれぞれ独自の評価を実施しています。
重視する比率が異なるので、確認してください。
(例)筆記:内申:面接=4:4:2
また、何年生の成績を見るのか、も異なります。
中1から中3まで均等に評価する場合や中3の成績だけを対象にすることもあります。
高校受験は地域の入試制度を知ることから始まります。
公立高校は都道府県の教育委員会のHP、私立高校は各高校のHPをチェックしてください。
各学校の進路主任は、内申を縦軸、実力テストの点数を横軸としたマトリックス表を作成し、高校別に過去にどの位置の生徒が合格しているのかというデータを持って進路指導にあたります。
中学校の進路指導の方針にもよりますが、進路相談を受ける際、そうしたマトリックス表を見せてもらえると、過去に内申がどのくらいで合格しているかをつかむことができます。