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written by Senotch


中学3年生(受験生)の保護者の皆様へ

学習

「ついに 中3になってしまった」
進路という言葉を聞くと、そう思ってしまうのが本当のところではないでしょうか。
「支度はできてるんだろうか?」「どんなことをすればいいんだろう?」と不安になる人がほとんどでしょう。
保護者の皆様も「中学3年生だ」「受験の年だ」と思って、子どもたちを見てしまうと、いろいろ不安になることもあるようです。
「この子は勉強するようになるのかしら?」「いつになったら進路のことを考えるようになるのかな?」・・・と思えば思うほどますます心配になってしまうものかもしれません。
当の子どもたちにしたって、勉強に意欲的に取り組んでいる人も、大嫌いという人も、それなりに不安・心配はあるものです。
そして、大なり小なり「まず何をやればいいんだろう?」ということが不安の一大原因。
「何も考えていなさそう」「何も取り組んでいなさそう」といわれたりするのも、実は「まず、何を考えれば(取り組めば)いいのか」ということがイメージできていないからではないでしょうか。
中学3年生の「進路指導」というのは「そういう人たちが大多数である」という前提から出発します。
そして「何をしていけばいいのか?」ということを考えていくことでもあります。
さまざまな見通しを示しながら、子どもたちが自分の将来のことを考えていくきっかけを提供できたらと思います。
そして、子どもたちがそれぞれ「自分の道を自分で決めていってくれる」よう見守っていければと思います。
ただ、「自分で決める」といっても、決めるまでが大変です。
どうやって決めればいいかわからないでしょうし、また、決めたからといってもそれで大丈夫かという不安もあるでしょう。
私たち大人はそんなときに「正しい情報の提供者であり、良き相談相手」であればと思います。
進路は先が見えないから不安なもの。
だけど「不安、何をしたらいいかわからない」と言って何も取り組まないのが一番怖いことです。
まわりの人のアドバイスを聞いて、今からここからスタートを切って下さい。
「自分の進路は自分で決める」と書きましたが、「親は子供の進路に口をはさめないのか」と言うとそんなことはありません。
保護者として、子どもたちの生活や経済的なことなどの面倒を見ていく立場の人が、子どもの進路に関して意見を言うのは当然のことです。
そして親には親の意見があります。
子どもの将来を思っているからこそ、「こうなってほしい」と願います。
そういう意見や願いは、ぜひ子どもたちに伝えてください。
実は子どもたちは親の生き方(今までどう生きてきたか)にとても興味をもっています。
良き相談相手として、子どもと一緒に考えていくことで、自分(親)としても新たな発見があるかもしれません。
けれども、子どもには子どもの願いや意見があります。
お互いに意見が食い違い、衝突することもあるでしょう。
そういうときには「お互いの意見をしっかり相手に伝えた上で、一緒に考えていく」ことが必要になってきます。
「進路」とは「自分を考えること」。
子どもたちに自分の人生を語りながら、進路の分かれ目で決断を迫られている子どもたちが「大人としての第一歩」を踏み出せるように応援してあげて下さい。
子どもたちはこれからいろいろ「進路」について悩むことが出てくるでしょう。
でも、きっとそうした悩みや不安は他の人も同じようにかかえているものなのです。
だから、何か質問や悩みがあれば遠慮なく教えて下さい。
できるだけ心配や不安がなくなる(減らせる)ように答えていきます。
たとえば、大人の立場からすれば「中学3年生で、先までの進路がすべて決まってしまうものではない」というのはある意味では当たり前のことでしょうが、先の見えない子どもたちは(まだ人生14年ですから)不安になって「これですべてが決まってしまう」と思いがちです。
そういうときには長く人生を経験した大人として「たかが入試」というような立場で接することも大切で子どもたちも安心できるのではないでしょうか?
けれど、そうはいっても「されど入試」。
子どもたちがこれからの人生をより楽しく豊かに自信を持って生きていけるように、大人の知恵をいっぱいはたらかせていきたいものです。
そういう願いにおいては親も教師も共通しているはずです。
その同じ願いのところで共に手をつなぎあって、子どもたちを応援してあげてください。